僕は電車の中にいた。

電車に乗った覚えはないし、多分これは夢だと思った。

目が覚めるまで、僕はただ窓の外の景色を見ていることにした。

一面に広がる曇り空の下には本当に何もなかった

僕、なぜ電車に乗っているんだ?

それより、この電車は一体何処へ向かっているんだ???

理由なく湧き出たすこし焦燥感に駆られて電車の中を見回した。

すると、10人程の男たちが俯いて座席に座っていたのだが、

そのどれもがゴミクズみたいな雰囲気なのがちょっと面白くて僕は笑った。

結局、僕は座席に座りながら、ぼんやりと窓越しに灰色の空を眺めていた。

しばらくはそうして時が過ぎるのを待っていたけれど、僕は気づいてしまった。

俺たち(ゴミクズ)はまとめて電車に乗っている。

そうして過ぎ去ってゆく景色を漠然と見つめながら、あの場所へ着々と向かっているのだ。

バイぞ!! はやくここから降りなければ!!