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Hとはこれまでに、Tは今回で、もう全て話し尽くしたたような気がしている。
俺はもうじきR県に行く。
Tは別れ際に、また近いうちに会おうと言っていたが、俺はこれで最後にしてしまっても構わないと感じていた。
そもそも友達とは、俺が思い描き、望んでいたような完璧な存在ではなかったのだ。俺の発言や思想に同意するだけの都合のいい存在では決してないんだ。
なのに俺はなぜ自分の意見を話した?なぜ共感を求めた?そうすべきではなかったのだ。
感じたこと、信じるものは、誰かに話してしまってもいいような下らないものじゃないはずなのに。
中学生の時、俺は●●●に生きていて……、俺は友達がいなかった。
それでもあの時は楽しかったし、恋もした。
楽しげな集団をその外側から眺めていた、はず。